屋久島―多様性の回廊

二十代は穂高に没頭した。
年間二百日ほども、涸沢でテント暮らしをするのである。
屋久島は生態系への深いまなざしと、積み重ねてきた水越流撮影術の見事な結合がある。
『穂高』で見せたモノクロの作品と通じる重厚なカラー表現に、それが凝縮している。
―解説より抜粋 /写真収録80点タイトルにある「ニライカナイ」は、海の彼方、海の底、地の底にあると信じられてきた楽園のことだ。
沖縄固有の風景や人と生活が対話距離ともいえるスタンスでとらえられているのだ。
沖縄をよく知っている人が、そこに生きる人たちに親しく接し、ごくあたりまえの光景として撮っているように見えた。
―解説より抜粋/写真収録100点富士山固有の雲である。
収載の作品を見ると、この人の雲へのこだわりが尋常ではないことがわかる。
ただ美しいというだけでは写真は撮れない。
刻々と変容していく雲と光の方向、そして何よりも富士山を仰ぐ角度をしり尽くしたえで、万に一つの好機を待つ。
それが「富士山の人」といわれるゆえんである。
―解説より抜粋/写真収録88点空撮写真は、無風で雲の無い晴天の日に行うものだが、橋本の作品は時間、季節、天候にしばられない。
むしろ条件の悪いなかで撮った作品が思わぬ描写につながることを期待して、それを狙うこともあるらしいのである。
定番のピーカン撮影にないものの一つである斜光線による撮影を多用し、タイトルにしたのも、そこに理由がある。
―解説より抜粋/写真収録96点かれは冬でもウエットスーツだけでボンベ2本を背負って長時間潜るという。
身を切る寒さに耐えながら潜り続けるというのも一つのこだわりとみることができるが、その執念と定点撮影を続ける姿勢は表裏の関係にあるのだろう。
かれの考え方の一端がそこにうかがえるのである。
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